準夜勤の前のプール

総合病院に勤めていた頃、当時3交代勤務をしていました。
日勤は9時~17時、準夜勤は17時~翌日1時、深夜勤は1時~9時という勤務体制でした。

ある日の準夜勤のこと。

一緒に勤務する、小学生の二人の男の子を持つ先輩看護師が気怠そうに仕事前に休憩室に入ってきました。

疲れている様子だったのでどうしたのかと聞くと、朝から子供たちとプールに行ってそのまま出勤してきたとのこと。

夏休みだったので、子供たちをスライダーがいくつもある大きなプールに連れて行くと約束していたらしいですが、旦那さんともなかなか休みが合わず、仕方なく準夜勤の前に行ってきたらしいのです。

それを聞いて当時は本当にびっくりしました。
準夜勤は確かに夕方からの仕事なので、昼間に用事を入れることもありますがさすがに若かった私たちもプールに行くことはしませんでした。

プールに行くと体がすごく疲れてぐったりしますよね。
でも、夏休みだし子供たちはプールに行きたいし、病院は日曜休みじゃないから会社勤めの旦那さんとの休みもなかなか合わないって分かりますけど、これ聞いたとき、働いてるお母さんってやっぱり大変だなって思ったことを今でもよく覚えています。
当時はまだ独身で気ままな寮生活だったので、結婚して子供を持って働き続けるには相当な覚悟がいるんだなと思いました。

私が勤めていたのは公立の病院だったので、身分は地方公務員で休みや福利厚生がしっかりしていたので育児休暇を取得して働き続けるママさん看護師さんはたくさんいました。
そんな中で、働くお母さんの大変さを痛感した出来事でした。

皮膚鉛筆の驚きの使い道

医療現場では皮膚鉛筆っていうのをよく使うのですが、皮膚鉛筆ってあまり一般には馴染みがないですよね。

色鉛筆の一種なのですが、芯がクレヨンのように柔らかく削って芯を出すのでなく紙巻き式になっていて芯がなくなったら巻いてある紙を破って芯を出すのです。

使い道は、皮膚にマーキングしたり、こすればすぐに消えるので器械の設定や数値などをプラスチックケースに書いたりに使っていました。

ある日の深夜勤のこと。

先輩看護師がいつものようにすっぴんで出勤してきました。
先輩は夜に出勤するときに化粧をすることを嫌って、いつも明け方にお化粧をする人でした。
その日もすっぴんのまま仕事をして、明け方5時頃にお化粧を始めました。

すると途中で先輩が「やだ、どうしよう。アイグロウ忘れちゃった。」と言い出しました。
見ると先輩は眉をきれいにカットしているので、アイブロウで眉を描かないと締まりのない顔になってしまいます。
先輩は私ともう一人の看護師に「アイブロウ持ってない?」と聞いてきましたが。私たちは出勤時にお化粧をしてきているので化粧道具なんて持っていません。
困った先輩はナースステーションの中を見回して。これでいいわ、と皮膚鉛筆を持ってきました。
そして、驚く私たちを全く気にすることもなく、なんと皮膚鉛筆で眉を描き始めたのです。
でも、そこはやっぱり化粧道具ではないただの皮膚鉛筆。
描いた眉を見てみたら、くっきり真っ黒の太い眉になってました。

先輩に、やっぱりちょっと変ですよ、って言ってみたのですが、眉がないよりましだとそのまま仕事を続けました。
朝になり、日勤者が出勤してくると皆先輩の顔を見て大笑い。
笑われるたび、仕方ないじゃない、と不機嫌そうにする先輩がとても可笑しかったです。

こんな風に皮膚鉛筆使った人っているのかな。